2008年8月14日

さて、生きるか

3回目の命日も過ぎ、いま真夏の暑さの中にいる。このまま流れにまかせて漂っていくのかな、なんて漠然と思っていたけど、少し追い風が吹いてきた。

留学話は結局なくなったけど、秋に配置換えがあって、大切な仕事を任されることになった。今の部署には、自分の体験を生かして医療問題をやろうと思っていたけど、組織再編のあおりを受けて、思い描いていたようなことはできなかった。秋からの仕事は、医療とは関係ないけど、Ayameが病気になる前から自分が長く取り組んできた分野だ。そういえばそのころは、このポストに就ければなあ、という希望を抱いていたことを思い出した。

病気になる前は、遠くの夢に向かって二人で励まし合って走っていた。それが病気になると、「来年の今ごろは、どうなっているのだろう?」というようにしか思考できなくなっていた。彼女が旅立ってからは、「いま、自分は何をすべきなのか」「生きるって、どういうことなのか」と、空回りする日々だった。きっとAyameが秋からのポストへ僕を導き、遠くを見ていたころの世界に引き戻してくれたのだろう。

そんな変化の予感を感じながら、昨日は横浜アリーナであった小田和正のコンサート「今日も どこかで」へ行った。小田さんのコンサートは、Ayameと大阪のフェスティバルホールで聴いて以来6年ぶり。3年前の夏は、武道館チケットを手に入れながら、行けなかった。彼女の三つの目標の一つだった。

一緒に行ったのは、リレー・フォー・ライフの活動で知り合った多似夢さん。肺の手術を終えて前日に退院してきたばかり。でも、コンサートに合わせて手術日を決めたらしい。僕よりも年季の入った小田和正ファンなので、傷の痛みを抑えながら、歌に聴き入っていた。

やはり涙なしには聴けない。「風のように流れていた」のときは、歌詞のなかにあるように「そのうたをきけば 淡い想いが 小さな出来事が あざやかに よみがえる」と、小田さんのTBS放送を食い入るように見ていたAyameの姿が思い浮かんだ。

うれしかったのは、僕が小田さんを聴き始めたころに大好きだった「夏の日」を歌ってくれたこと。どんな未来が待っているのかまだ何も知らなかった中学生のころだ。会場の大画面には、僕が見て育った湘南の海の映像も流れて、こころは自分の原点に運ばれていった。

いままで過去を振り返るのが怖くて、懐かしいという感情はどこかに忘れていた。これでようやく、痛みで歪んだAyameの顔ではなく、彼女の笑顔を思い出せそうだ。今日も、どこかで。

 透きとおる 光が分け隔てなく
 すべての人たちに 朝を運んでくる
 その一歩を もう ためらわないで
 誰かが きっと 受け止めてくれる

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2008年4月19日

南の島から

Fusen
種子島からお便りが届いた。Ayameの風船蔓をもらっていただいた方から、芽が出たようだ。

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2008年4月17日

試験に出るAyame問題

有限責任中間法人「日本著作権教育研究会」なるところから、Ayameの「ご継承者様」宛に封筒が届いた。

名古屋の某私立大学の博士課程で、Ayameの本の中から試験問題が出題されたことを知らせるものだった。

その大学で、必読書になってくれればいいけど。

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2008年3月25日

留学?

出先から会社に帰る途中、会社の同僚にばったり出くわした。奴はこの春、香港に赴任する。入社前からの友人で、結婚式にも、Ayameの葬儀にも付き添ってくれた心の友だ。

明日、香港に旅発つという。赴任前に飲みに行こうと言っていたのに、なかなか予定が合わずにいた。会社の前とは言え、ばったり出くわすとは単なる偶然ではない。互いに運命を感じながら、ちょっとだけ飲もうと店に入った。香港に行く友にはふさわしくないけど、中華料理屋に入ってビールを飲んだ。

奴に相談しようと思っていたことがあった。僕は最近、上司から留学を勧められていた。最終的には会社全体で決めることだからどうなるかわからないけど、上司は僕を推薦すると言ってくれた。でも、いまさら留学したって海外赴任に結びつくわけでもないし、海外赴任どころか、仕事そのものにさえ腰が入らないでいるというのに、僕にはどうももったいない話に思えて、断ろうと思っていた。

でも、奴は1年の中国留学の経験から、「お前にとって何かのきっかけになる」と言う。環境が変われば、自分も変わると言う。悶々としている僕を見かねて、奴なりの優しさで言ってくれているのだろう。

申し込みの締め切りは、もうすぐ。奴は「絶対に申し込め。約束は守れよ」と握手を求めてきた。

会社前で奴とばったり出くわしたところから、何となくAyameの意図を感じていた。Ayameが「せっかくだから、行ったら」と笑顔で呼びかけているように思えた。

変わる時なのかもしれない。

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2008年2月13日

9th Anniversary

不思議だね 二人がこうして会えたこと 
そのために二人 ここへ生まれて来たのかな
はじめて二人で 二人だけで歩いた あの時 
多分僕は 君が好きになったんだ
息をとめて 君を見つめてる
woh woh woh woh 君を抱きしめていたい

確かなことなど 今何もないけど 
ほんとうに大切なことは 君が教えてくれた
いつか君の その哀しみは 
woh woh woh woh きっと忘れさせるから

僕は君に 何も誓えない 
でも僕は 君のために 精一杯の人生を生きる
いつか君の その哀しみは 
woh woh woh woh きっと忘れさせるから
息をとめて 君を見つめてる 
woh woh woh woh 君を抱きしめていたい

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2008年1月15日

薔薇のない花屋

妻を亡くした男と幼い娘の話とは知らず、何となく観てしまった。

娘の雫(しずく)に、「雫がいなかったら、意味のない人生だった」と父親が言うシーンがあった。そうやって守るべきものがあると、闘えていいなあと思った。

子どももいない僕は何のために闘い、何のために働いてるんだろうと思わざるを得ない。

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2008年1月 1日

紅白よりもクリスマス

紅白を観ていてもおもしろくないので、ハードディスクに録り貯めていた小田和正の「クリスマスの約束」を観ることにした。これが正解だった。

すごい!THE BOOMの宮沢和史と「風になりたい」のコラボ、佐野元春と「SOMEDAY」のコラボ(しかも矢井田瞳がコーラスで参加!)など、紅白ではあり得ないコラボが実現している! 小田さんがさだまさしの「秋桜」をソロで唄っているのを聴いたときは「こんなにいい曲だったっけ?」と思うほどだった。その後登場したさだまさし自身もそれを認めていた。

僕の希望としては、来年は山下達郎とか松任谷由実とのコラボも期待したい。

ワインで酔っぱらっていることもあって、曲が終わるたびに拍手していた。

近所迷惑になっていないかどうかを確かめようと窓を開けたら、近くの神社で人が集まっている気配。元旦を迎えた深夜すぐに初詣へ。Ayameが大好きな甘酒をふるまっていたので、それを持って帰った。

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2007年12月24日

クリスマスプレゼント

もうAyameに買ってあげられるクリスマスプレゼントは、当たり前だけど、ない。

と、思いきや、「医龍2」を観ていて、あった!と思った。内田有紀演じる役が、お父さんの写真を自分のオフィスに飾るシーンがあり、そのフォトフレームが洒落ていた。

その宝石店へ入るのは久しぶりだ。婚約指輪も、最後に贈ったクリスマスプレゼントも、この店だった。周りはカップルがいっぱいでちょっと恥ずかしかったけど、Ayameが気に入りそうなシンプルなものを選んだ。

この日のデパートは大賑わい。でも、ブルーの紙袋を下げて歩いていると、Ayameがプレゼントを待っているようで寂しくはなかった。

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2007年11月17日

風船蔓のタネもらってください

今年も風船葛のタネがいっぱいとれた。Ayameのことを想って、育てていただける方に差し上げます。Fusen

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2007年11月10日

打たれても前へ進め

「ロッキー ザ・ファイナル」を観た。音楽はほとんどオリジナル・スコアからで、懐かしかった。ビル・コンティの音楽がなければ、このシリーズの魅力は半減しただろう。

ロッキーを自分と重ねずには観られなかった。ロッキーは愛するエイドリアンをがんで亡くし、命日には思い出の場所を訪ね回る。場末でイタリア料理店を経営するが、物足りない日々。そこで、もう一度地元で軽くボクシングを始めようと思い立ったら、いきなり世界チャンピオンとのカードが転がり込んでくる。

何かと有名な父の影に振り回される息子が「恥ずかしいことはやめてくれ!」と訴えると、ロッキーは「自分の人生は、自分でつかめ!」と、次のように言う。

Let me tell you something you already know. The world ain't all sunshine and rainbows. It is a very mean and nasty place and it will beat you to your knees and keep you there permanently if you let it. You, me, or nobody is gonna hit as hard as life. But it ain't how hard you hit; it's about how hard you can get hit, and keep moving forward. How much you can take, and keep moving forward. That's how winning is done. Now, if you know what you're worth, then go out and get what you're worth. But you gotta be willing to take the hit, and not pointing fingers saying you ain't where you are because of him, or her, or anybody.
「みんな人生に強く打ちのめされるんだ。でも、いかに強く打って出るかじゃなく、強く打たれてもいかに前に進み続けるかだ。勝つというのは、そうやってやるんだ」

生き甲斐を見失ったロッキーは、自分にも言い聞かせているんだろう。僕にはそう思えた。

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